例年,1学期の期末考査最終日の午後において,見附市消防本部の指導のもと,2年生全員を対象にAED(自動体外式除細動器)の取り扱いの実技演習しています。
生徒は男女別にいくつかのグループに分かれ,講師の指導に耳を傾けながら「AEDを用いた心肺蘇生」を中心に実習に取り組みます。
修了者全員に「普通救命講習Ⅰ修了証」が授与され,調査署や推薦書に記載可能な「公的資格」となります。
病気やけがにより,突然の心停止やこれに近い状態となった傷病者を救命し,社会復帰に導くためには,以下の1~4を4つの輪にたとえた 「救命の連鎖」を途切れることなく,すばやくつながることが必要であり,救命効果を高めることができる。
- 予防
- 早期認識と通報
- 1次救命処置
- 二次救命処置と心拍再開後の集中治療
心停止や呼吸停止となる可能性のある傷病を未然に防ぐことが重要です。 心停止の可能性がある方を発見したら,できるだけ早く119番通報後,救急車が到着するまでに市民が行う 「1次救命措置」において,できるだけ早く胸骨圧迫・人工呼吸を含む心肺蘇生 を実施し,AEDを用いて電気ショックを行い,できるだけ早く医療機関で処置をすることが大切な命を救うことにつながる。
この講習は,その「1次救命措置」を指導するものです。
「見附高校救命救急テキスト」より
3時間の講習のため,A,B,Cの3グループに分け,ローテーションで以下の3項目を実習します。
- 心肺蘇生の講習
- AEDの講習
- 気道異物除去等講習
AEDの講習について
○ 訓練道具一式 |
AED,人形,衣服,アルコールティッシュなど。AEDは実際に音声でパッドを貼るタイミングを教えてくれる。 |
○ 2次被害の防止 |
「AEDから離れてください」と言って,電気ショックによる周囲に対する「2次被害」を防ぐ。 |
異物除去について
○ 腹部突き上げ法 |
○ 背部叩打法 |
○ 心肺蘇生 |
心停止に対する心肺蘇生を開始する。心肺蘇生を行っている途中で異物が見えたときは,それを取り除く。 |
種類 | 時間 | 講習の種類 |
---|---|---|
Ⅰ | 3 | 広く一般市民を対象。本校において実施される講習。 |
Ⅱ | 4 | 医務室,集客施設職員など,一般市民よりも高頻度で救命処置を行なう可能性のある人向け。 |
Ⅲ | 3 | 一般市民の他に,保育園や学校教職員,児童クラブ指導者など,小児・乳児・新生児に対する救命処置と応急手当を扱う可能性がある人向け。 |
上級 | 8 | 成人や小児・乳児への救命処置や応急手当(普通救命講習ⅠおよびⅢに相当)に加え,ファーストエイド,搬送法などが加わる。 |
赤十字の使命を理解し,事故の防止に努めるとともに,けが人や急病人に対して赤十字救急法を実践する知識と技術を有していることを日本赤十字社が認定する資格。
病気やけがや災害から自分自身を守り,けが人や急病人を正しく救助し,医師または救急隊などに引き継ぐまでの救命手当及び応急手当をする。
「赤十字救急法救急員」は,一般市民だけでなく,保健体育系の大学・専門学校でもカリキュラムにあることも多く,就職および進学の調査書や推薦書に記載可能な「公的資格」である。そのため, 推薦入試やAO入試のために,看護系の大学・専門学校進学志望者に取得させる高校もあります(前任校で実際にさせました)。
種類 | 時間 | 講習の種類 |
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基礎講習 | 4 |
○普通救命講習Ⅰの内容とほぼ同じ。 ○検定合格者には「赤十字ベーシックライフサポーター認定証」が授与される。 |
救急員 養成講習 |
12 |
○日常生活における事故防止や止血の仕方,包帯の使い方,骨折などの場合の固定,搬送,災害時の心得などについての知識と技術を習得できる。 ○検定合格者には「赤十字救急法救急員認定証」が授与される。 |